【おすすめ本】『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』を読んで40代の僕が考えた3つのこと

お腹の贅肉が思った以上に減らないおもとです、こんにちは。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』、読了。

まずはじめに言いたいことが2つあります。

一つは、

あなたがお金のことで仕事や将来の生き方を悩んでいるなら迷わず買いなさい。

もう一つが、

将来こどもにお金のことを教えたいなら、これ以上の教科書はありません。

誤解を与えないように断っておきますと、『お金2.0』はお金という言葉がタイトルにありますが、

こうしたらお金が儲かりますよ

や、

こうするとお金に苦労しませんよ

といった内容を教えてくれるハウツー本ではありません。

なので、手っ取り早くお金儲けをしたい方は、べつの本を探しましょう。

しかしあなたが次の項目に一つでも当てはまっていれば、絶対に買うべきです。

  • 進路に悩む大学生や就職活動中の方
  • このまま会社で働くことに不安を感じるサラリーマンや、転職、起業を考えている方
  • こどもがいる方

この中でも特に、40歳前後で将来の生き方に不安があり、さらに子供が何人かいる僕のような方におすすめしたい。

理由は後ほど書きますが、これだけは絶対に断言できる。

今の僕にとって、最高の名著だった、と。

『お金2.0』の著者について

内容の前に、まず著者を紹介します。

著者は株式会社メタップスの社長、佐藤航陽さん
佐藤さんが立ち上げた、時間をお金に変えるサービス『タイムバンク』は僕も利用しています。

そんな佐藤さんについて、スタートアップ界隈では有名ですが、念のため略歴を書きます。

小さい頃はお金に苦労したようで、それが元でお金のことを考えたのが、本書を執筆するきっかけだったと本の中で説明されていました。
大学在学中に事業を立ち上げて学生実業家となり、さらに現在、世界8箇所に拠点を構えて事業を拡大されます。

1986年生まれって、僕より何歳若いんだ・・・。

それはともかく、彼は経済の評論家ではなく、会社経営の経験を通じて得た発見をもとに、この本を執筆しています。

本書の中に、次の一節があります。

実務の中で再現できないことは本当に「理解した」とは言えない

実務の世界では机上の空論は全く通用せず、成果に繋げることで、初めて活きたノウハウになり得る

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』第一章 お金の正体より

実際に会社を経営されているので、この言葉には非常に重みがありました。

そして、机上の空論ではなく実務によって自分の仮説を証明してきた彼の著作だからこそ、僕は信頼に値すると確信しました。

『お金2.0』の概要

では内容を見ていきましょう。
本書では大きく次の5章に分かれています。

第1章 お金の正体
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
第3章 価値主義とは何か?
第4章 お金から解放される生き方
第5章 加速する人類の進化

細かく内容を書くことはしませんが、ざっくりとまとめます。

第1章 お金の正体

まず、第1章では、お金だけに焦点をあてるのではなく、もっと大きな『資本主義』の実体を解明しながら、お金について説明しています。
また、経済が実は脳の活動や自然と深く関わっていることにも言及されています。

第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ

第一章で解明した資本主義がテクノロジーによってどのように変化するのかを展開します。
いままでは中央で管理・統制されていたものが、テクノロジーの発達で、どんどん分散化されていくことが、説明されています。

第3章 価値主義とは何か

『分散化』した結果、資本主義の限界が見えだし、お金の価値が下がってきます。
さらに、いままで評価されなかった価値が注目されるようになりました。
この価値についての言及と、経済とその他の境界がなくなっていくことが説明されています。

第4章 お金から解放される生き方

ここまでは社会全体や経済全体といった大まかな枠組みの説明でしたが、第4章では、変化しつつある全体の流れから、僕達がどう生きるかという、個人の話へとシフトしていきます。

第5章 加速する人類の進化

これから社会全体や個人が、どのような流れになるかという未来予想で締めくくられます。

 

本当にざっくりなので、説明不足があればお許しください。

また、最新のテクノロジーである仮想通貨やブロックチェーン、トークンについてもわかりやすく説明されていたので、僕にとってはとても理解しやくすく、ありがたかったです。

『お金2.0』に感銘を受けて思ったこと

僕が『お金2.0』を読んで感銘を受けて考えたことを3つ書き出します。

歴史上、お金の正体が最もわかっていた人物はカエサル

「いきなりなんやねん」というツッコミ、わかります(笑)。
見出しにある『カエサル』という人物名は、『お金2.0』には全く出てきませんから。

なぜ彼の名前を上げたかというと、『第一章 お金の正体』から『第3章 価値主義とは何か?』を読む中で、カエサルのエピソードがふと頭をよぎったからです。

カエサルを簡単に説明すると、彼は古代ローマの政治家であり、軍人でした。

彼はローマを共和制から帝政へと劇的に変化させた人物で、同時代の政治家から誰にも理解されなかった改革を、たった一人でやってのけます。

女性遍歴でも有名なカエサルですが、莫大な借金をしていたことでも有名です。
現在の価値で1億円するイアリングを、一杯のお酒に溶かして女性にプレゼントした豪快なエピソードもあります。
しかし女性へのプレゼントに使ったお金は微々たるもので、借金の殆どを公共施設の建設に当てています。
そのおかげで民衆からの人気は高まりますが、借金も膨大な金額に膨れ上がりました。

人生のすべてを使っても返しきれない額の借金をしてまで、なぜ公共工事をしたのか、当時は理解できなかったのですが、『お金2.0』の第3章まで読み進めると腑に落ちました。

彼はお金を価値に変換し、自分に貯めていったのです。
いつでも他の何かと交換できるようにして。

『「お金」は単なる「道具」である』と第5章の小見出しにもありましたが、まさに彼は完璧にそのことを理解していた人でした。

カエサルについて

ここではこれ以上詳しく説明しませんが、カエサルについて興味ある方は、塩野七生先生の
『ローマ人の物語』4、5巻がおすすめですので、よかったら読んでみてください!

心をサビさせてはいけない

『第4章 お金から解放される生き方』のなかで、著者はこんなことを書いています。

小中学校の教育を受け、やりたいことではなく、やらなければならないことを続けていくうちに、自分が何に興味を持って何に熱中していたのか、情熱の源泉を忘れてしまう

(中略)

私はこれを「心がサビる」と表現します。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』第4章 お金から解放される生き方より

これを読んだ時、ふと小学校の砂場で遊んでいた記憶が蘇りました。

僕は砂で山と谷を作って高低差を出し、できた山に川をつくって水を流して遊んでいました。
何回も、何回も、それこそ100回ぐらいは平気で流す。

水が流れたら、川がどのように変化するかを観察するのがとても楽しかったのでしょう。
飽きずにずっと眺めていました。

これが僕の情熱の源泉です
僕は自分で作ったシステムが自律して動き出し、どのように変化していくのかを眺めるのがとても好きなのだと気づきました。

著者の言葉を借りれば、まさに心のサビが落ちたのだと思います。

新しい目標が見つかった

サビが落ちたところで、何をしようか考えたところ、僕は以前コミュニティサイトを運営していたことを思い出しました。

ほぼゼロからのスタートでしたが、参加者の数も増え、なんとか回るようになりました。

ただ、その当時から持続性に関しては様々な問題点があり、結局僕が運営にかかわらなくなると、滞ってなくなってしまいました。

でも今はさまざまなテクノロジーが出現しています。
ブロックチェーン、仮想通貨、トークンエコノミー。

おそらくこれらを利用することで、新しい経済圏を創生することが可能なのではないかと。

『第4章 お金から解放される生き方』のなかにある筆者の言葉を借りると、こうなります。

(略)自分の興味や情熱と向き合い、自らの価値に気づき、それを育てていく。そしてその価値を軸に自分なりの経済圏を作っていく。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』第4章 お金から解放される生き方より

目標はできました。あとは動くだけです。

まとめ

冒頭で書いた「将来に不安がある」あなたへおすすめするのアプローチは、これでできたと思います。

もう一つの「子供がいる」方ですが、こちらはもう、そのまま今までのエピソードを踏まえて、お金の正体をこどもに教えてあげたい。

日本の教育では、おそらくこれからも子供が学ぶ機会はないと思うのです。
だからこそ、親が自ら子供につたえることで、将来の選択肢を少しでも増やしてあげるのが義務なのではないでしょうか。

冒頭でいいましたが、大事なのでもう一度いいますね。

今の僕にとって、最高の名著だった、と。

そしてもう一つ。

あなたにとっても、最高の名著になる、と。