【書評・感想】人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている に社会の秘密を垣間見た

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている書評・感想

昔から、なぜか周りの人にちやほやされる人っていませんでした?

学生時代、僕の友達にも先生からよく声をかけられる人がいたし、社会人になってからも何故か評判のいい人がいました。

隣で見てると、たいして実力もないのにな、と思うそんな人。

あなたがもしそんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま人生を過ごしてきたなら、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読んだほうがいい。

僕のようにくそがつくほど真面目で、実力さえつければなんとかなると思っている人ほど、常識をひっくり返すコペルニクス的発想の転換を与えてくれますよ。

注意

電子書籍の場合、iPad やiPhoneなどiOS版のkindleではイラストが表示されないバグがあるので、Windows版でお読みいただくか、iBookなどの他のソフトで読むことをおすすめします。

『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』は、こんな本

この本が教えてくれることを一言で表現すると、

脳は簡単に勘違いするので、その性質をうまく利用できると人生ヌルゲー(簡単にクリアできるゲーム)になるよ。

もう少し付け足すなら、

そう僕が言うと信じてもらえないけど、複数の企業を創業し、そのうち1社を上場させ、数百万人にブログを読まれてフォロワーが○万人いるふろむだ@fromdusktildawnさんが言ったら信じてもらえる理由が書いてあるよ。

です。

そして、特に勘違いの中でも、「自分の得になるような他人の勘違い」を本書では錯覚資産と呼んでいます。

人は大仰な肩書を見ると、その人の実力を過大評価する傾向があります。
それも、「公平に判断している」と間違った認識のまま。

これこそが勘違い(思考の錯覚)を利用した『錯覚資産』なんですね。

  • 某大手外資系企業で巨大企業〇〇と取引をした経験あり
  • 大手企業の営業部長
  • 年商数十億の会社を経営

も、もちろん錯覚資産。

  • フォロワーが○万人います
  • ブログで月収7桁稼いでいます
  • PVがいくらあります

というのも錯覚資産。
さらに、

  • イケメン
  • 爽やかな風貌
  • 知的な趣き

といったことですら、簡単に勘違いしてしまうんです。

でも真面目な人ほど『錯覚資産』を使いたがらないんですよね。
あなたはどうですか?

勘違いさせてるなんて

  • 汚い
  • 卑怯
  • ずるい

って考えてしまいませんか?

さらに世の中で認められている人や偉い人ほど、この勘違いは起こらないって思っていませんか?

でも現実はそうじゃない。
だって勘違い(思考の錯覚)は脳の仕様だから。

脳はエラー(勘違い)を起こしやすい

思考の錯覚は誰でも起こす。
そして自分が正しいと思っている人ほど、その錯覚に気づかない。

本書ではそれを暴くために、ダニエル・カールマンなどの認知心理学の実験例を出して説明しています。

僕もダニエル・カールマンの著書『ファスト&スロー』を読みましたが、この本で行った様々な実験結果から、人は与えられる情報が少なくてすぐに判断を求められると、間違った結論を正しいと思い込んで答えをだしてしまうんですよね。

そして太古から進化してきた人間が生き残るために、DNAレベルで刷り込まれているため、簡単に矯正することはできない。

これが思考の錯覚を生み出し、錯覚資産が作られる原因になるのです。

だから僕は、思考の錯覚は脳の仕様だと考えるようにしました。

脳の仕様なら、仕方がないでしょう。

学生と社会人でゲームのルールが変わる

もう一つ、真面目な人がかかる罠の一つに、

学生と社会人で人生というゲームのルールが変わる

があると著者は指摘しています。

学生の時は、学校の点数など客観的な数字で実力が判断されるため、錯覚資産の影響が比較的少ない。

しかし一歩社会に踏み出した瞬間から、錯覚資産の影響が大きくなるため、実力(プラス運)だけで判断されることがすくなくなってくるんです。

成功者のもとにはより多くの成功を引きつけるようにできている。

こういうコトってありますよね。

  • Twitterのフォロワーが○万人の人に惹きつけられて思わずフォローしている
  • 「月収○百万稼ぎました」というタイトルに憧れて買った本
  • 「○○大学教授」という肩書でその人の話を信用する

これ全て〇〇だからすごいと無意識に考える脳作用が起こす錯覚資産の為せる技なんです。

さらに社会の中には、錯覚資産を感覚で活用できる人間も存在するってことです。

あなたの憧れるあの人は、今何を名乗っていますか?
どんな活動を報告していますか?

それを冷静に見てみるとどの部分に錯覚資産を利用しているかが分かると思いますよ。

ずるいという考えより、持っているカードをより有効に使う感覚が大事

人を騙している感じがしてずるい、という感覚で錯覚資産を利用せず実力だけで勝負しようとしても、世界どこに行っても脳が起こすエラーなので、結局は錯覚資産をうまく使う人と争うことになります。

今の時代インターネットの中で、世界中の人に自分の価値を示す必要があります。

そうしないと、あなたはネットの海に溺れてしまい、二度と世界の人に見つけてもらえなくなってしまう。

だからこそ、錯覚資産を有効に使う方法を身に着けたほうがいいのです。

そして『息を吸うように』錯覚資産を利用する人の真実の姿を見極めて、自分の身を守ったほうがいい。

あなたが僕のように、ずるいと考えてしまう真面目な性格なら、錯覚資産を自分の得意分野(カード)を有効に活用する方法だと認識を変えてみませんか?

自分が使えるカードのブーストを外す、強化してやるのです。

まとめ

錯覚資産の考えを知ると、生きるための鎧(防御力)を得るだけでなく、有効に使えばとんでもない攻撃力を手に入れられます。

しかし、どこの誰だかわからない僕が言ってもあなたは信じないでしょう。

だからこそ、複数の企業を創業し、そのうち1社を上場させ、数百万人にブログを読まれてフォロワーが○万人いるふろむだ@fromdusktildawnさんの言葉で読むほうがいい。

きっと錯覚資産の価値に納得できることでしょう。